
AGA治療に!ミノキシジルの効果と副作用は?注目の育毛成分徹底解説
年齢とともに気になる頭皮トラブルや抜け毛。最近になって抜け毛が増えてませんか?
色々な育毛剤を試してみたが、どれも効果がないと感じるあなたへ。ミノキシジルという成分を聞いたことはないしょうか?
そこで今回、医療法人社団光陽会 みずほ台サンクリニックの石橋彩里先生協力のもと、AGAや発毛剤として有名な医療用成分ミノキシジルの効果や副作用について詳しく解説していきます!

医療法人社団光陽会
みずほ台サンクリニック
理事長
石橋彩里 先生
※監修者は商品の選定については関与しておりません。
※監修者のコメントは編集して掲載しています。
目次
AGAとは?
AGA(男性型脱毛症)は、主に男性に現れる脱毛症の一種で、正式名称はAndrogenetic Alopecia(アンドロゲネティック・アロペシア)といいます。女性にも起こることがありますが、男性に比べると比較的まれです。この症状は、遺伝的要素や男性ホルモン(テストステロン)によって引き起こされることが多いです。壮年性脱毛症の大半はこのAGAです。
AGAの特徴は、頭頂部や前頭部の髪の毛が徐々に細くなり、薄毛や抜け毛が進行していくことです。治療法としては、薬物療法(フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジル)や、注入療法、さらには植毛手術などがあります。治療を始めるタイミングや選択肢は個人の状況や進行度によって異なります。早期発見・早期治療が、薄毛の進行を遅らせる上で重要です。
ヘアサイクル(毛周期)の異常が薄毛の原因
髪の毛には一定の寿命があります。毛髪は成長したあと自然に抜け、再び同じ毛穴から新しい毛髪が生えます。 この繰り返しを毛周期といいます。
ヘアサイクルは「成長期」「退行期」「休止期」に分かれていて、男性型脱毛症の方は年を取るとヘアサイクルが短くなる現象が起ります。
髪の毛の本数はおよそ10万本あると言われ、1日に抜ける髪の毛は50本〜100本くらいといわれています。100本以内であれば心配する必要がありませんが、それ以上になると壮年性脱毛症の可能性があります。
AGAには男性ホルモンが関係している
男性ホルモンは、骨・筋肉の発達や髭・胸毛などの毛を濃くしますが、前頭部と頭頂部などにおいては逆に軟毛化現象を引き起こします。
男性型脱毛症の発症は、男性ホルモン(テストステロン)の中でも活性型男性ホルモン(ジヒドロテストステロン 以下DHT)が関与していると言われています。
DHTが男性ホルモン感受性毛包に結合すると、毛母細胞の増殖が抑制されて毛の成長期が短縮してしまいます。つまり髪の毛が太く成長する前に抜けてしまい、頼りない軟毛が増えてしまうのが男性型脱毛症の正体です。
男性ホルモン感受性毛包は前頭部や頭頂部に存在し、後頭部や側頭部には基本的に存在しません。このため前頭部や頭頂部の髪の毛が薄くなってしまうのです。
薄毛・脱毛の有効成分!ミノキシジルとは?
ミノキシジルとは、「老化による脱毛症(壮年性脱毛症)における発毛、育毛および脱毛・抜け毛の進行予防」の効能、効果が承認された成分です。
ミノキシジルは効果が認証された成分ですが、ミノキシジルによりVEGF(血管内皮細胞増殖因子)が産生され発毛に関与しているとされる説、IGF-1(インスリン様増殖因子)が関与する説、毛母細胞のアポトーシス(細胞死)を抑制する説など諸説ありますが、どのような作用機序で発毛をもたらすのか、実は現在でもよく分かっていません。
ミノキシジルの効果とアプローチ方法
ミノキシジルには、
①ヘアサイクルの休止期から初期成長期への移行
②初期成長期から後期成長期への維持・及び延長
の2つの効果があると想定されています。
簡単に説明すると、正常なヘアサイクルを復活させる効果が期待できるということです。
また、新たな発毛促進と軟毛の硬毛化・血管拡張作用による血流の改善も注目されています。
毛乳頭細胞にて、ヘアサイクルに大切な『発毛促進因子』を促進する働き・毛母細胞が死んでしまうことを防ぐ働き・毛包周囲の血流改善作用などが相まってAGAに有効と考えられています。
ミノキシジルの効果が期待できる脱毛症状
男性の壮年性脱毛症と呼ばれるものには、
- 頭頂部9から脱毛するタイプ
- 前頭部の生え際から脱毛するタイプ
- 双方(M字状に脱毛)から始まるタイプ
の3タイプがあります。
女性は、抜け毛・薄毛の要因が多いため壮年性脱毛症かどうかをチェックする必要があります。 壮年性脱毛症の場合は女性用のミノキシジル配合の育毛剤を使用しましょう!
ミノキシジルを使ったAGAの改善・治療方法
ミノキシジルでAGAの改善や治療を行う場合には、市販の外用薬を使用するか皮膚科やAGA専門クリニックでの処方があります。
【発毛剤】市販の外用薬
頭皮に塗布するタイプの薬です。 商品の用法・容量に従って脱毛している頭皮に塗布してケアします。
皮膚科やAGA専門クリニックでの治療
男性型脱毛症の治療には診療ガイドラインが定められています。このガイドラインで「治療を行うよう強く勧められる」ものはフィナステリド内服、デュタステリド内服、そしてミノキシジル外用の3つであり、病院で医師から処方してもらう必要があります。
一方で市販薬に含まれるアデノシンやカルプロニウム、ペンタデカンなどは「治療を行っても構わない」というレベルで、前述の薬剤と比べると治療効果は劣ります。
男性型脱毛症は未だ解明されていない部分が多く、各クリニックが独自の治療法を提供しているケースが少なくありません。ミノキシジル内服療法や成長因子注入療法はガイドライン上では認められていませんが、「効果が実感できた」と患者様から一定の評価を受けていることも事実です。
AGA治療行う男性専用の美容クリニックなどでは、フィナステリド内服、デュタステリド内服、ミノキシジル内服および外用、成長因子製剤の注入療法など幅広い治療メニューが提供されています。
ミノキシジルの効果が現れるまでの期間はどれぐらい?
ミノキシジルは、
- 1% ….. 6ヶ月以上
- 5% ….. 4ヶ月以上
で効果が表れているケースが多いようです。
1年以上使用しても効果がなければ使用を中止し、医師に相談が必要です。
ミノキシジルの発毛効果は継続使用で維持されますが、使用を止めると元に戻ります。AGA(壮年性脱毛症)の原因を解消するものではありません。
ミノキシジルの副作用
外用薬(塗り薬)の場合
頭皮のかゆみ・発心・紅斑、フケやかぶれの発症も報告されています。
外用薬での循環器系への副作用は非常にまれとされており、安心して使用できます。
内服薬(飲み薬)の場合
胸痛・心拍数増加・動悸・息切れ・呼吸困難・むくみや体重増加などの心血管系障害が起こったとの報告もあります。その他、頭痛や火照りも見られることもあります。
元々、ミノキシジルは血圧を下げるお薬として開発されていたので、 高血圧の人、低血圧の人、心臓または腎臓に障害のある人、むくみのある人は使用する前に医師または薬剤師に相談してください。
ミノキシジルの他に効果が期待できる成分
ミノキシジル以外にも、市販の育毛剤には他にも有効成分として入っている成分があります。
パントテニルエチルエーテル
パントテニルエチルエーテルは薄毛などが気になる方の薬用トニック、薬用シャンプーの有効成分として使用されます。
作用は毛包賦活剤として毛乳頭や毛母細胞に働き、発毛に必要な細胞分裂を活性化させたり、また、頭皮の皮脂量を抑える効果が報告されています。頭皮の脱毛が気になる方のみならず、毛髪にハリやコシがない方や髪の成長が遅い方の使用もOKですよ。
ピリドキシン塩酸塩
ピリドキシン塩酸塩とは、ビタミンB6のことです。
このビタミンB6が不足すると、口内炎、舌炎、舌の腫れ、湿疹、脂漏性湿疹、免疫力低下、接触性皮膚炎、口角炎、口唇のひび割れ、ニキビ、アトピー等が起きてしまいます。
ピリドキシンはサプリメントとして飲むだけでなく化粧水や乳液、ハンドクリームとしても使用されています。
酢酸トコフェロール
トコフェロールとは、ビタミンEのこと。ビタミンEは小麦胚芽やアーモンド、ヘーゼルナッツやピーナッツなどに豊富に含まれます。
ビタミンEには血流を良くする働きや抗酸化作用があり、エイジングケアや健康増進の分野で注目されています。
l-メントール
古くから使用されている、ハッカの成分です。
主に清涼感を与えるために、デオドラント製品や頭皮用化粧品など多くの化粧品に使用されています。
しかしこれらの成分は診療ガイドラインには記載されていません。
効果があるともないとも言えない、といったところですので、今後の研究を待つしかありません。
育毛剤と発毛剤の違い
主に育毛剤と発毛剤は使用の目的が異なります。2つの違いを見てみましょう!
育毛剤と発毛剤の違い
簡単に言えば、「今生えている髪の毛を育て抜け毛を防ぐ」のが育毛剤で、「抜けてしまった髪の毛を生やし抜け毛を防ぐ」のが発毛剤です。
育毛剤は医薬部外品に該当しており、主に抜け毛の予防のために使用するものです。 今後の脱毛症対策のために使用したり、毛髪のボリュームがダウンしているのであれば育毛剤を選ぶのがおすすめです!
発毛剤は医薬品で薄毛の治療のために使用するものです。 壮年性脱毛症に効果が期待でき、頭皮の脱毛が気になる方や毛量を改善したいかたにおすすめです!
いずれにしても早めの予防が好ましいです。
ミノキシジルにまつわるQ&A
ミノキシジルに関する疑問をご紹介します。
なぜミノキシジル外用の水準は男性が5%なのに女性は1%なんですか?
日本皮膚科学会による『男性型およびによる女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版』を見てみると、ミノキシジルの推奨濃度が男性と女性で異なります。
なぜ違うのか、についてははっきりとは発表されていないようです。ちなみに、日本においてはミノキシジルは男性用では1%と5%の商品が、女性用では1%の商品がありますが、海外の製品では男女共に2%と5%の商品があり、7.5%や15%*などより高濃度の商品もあります。
日本の場合、ヒトへの安全性以外に体格や薬物の代謝機能が欧米人と異なるため、パーセントの低い濃度の商品も販売しているのでしょう。
ミノキシジル注射があるようですが、発毛剤より効果があるんですか?
ミノキシジルの注射は日本の医療用医薬品にはありません。海外から輸入されたものかと思います。
そのため、日本ではメジャーなものではありませんので、医師とよく相談の上使用してください。
効果に関しては、内服薬や外用薬よりも強く出ることが多いです。
発毛剤の使用をやめるとまた壮年脱毛症が再発するのですか?
はい、AGAは進行性のため基本的には継続しないといけないものです。
個人差もありますが、使用をやめると徐々に脱毛状態に戻る可能性が高いので続けた方が良いでしょう。
育毛医薬品を服用すると献血ができないって聞いたのですが…
発毛剤のミノキシジルに関しては問題ありません。
しかしプロペシア(フィナステリド)やザガーロ・アボルブ・アボダート(いずれもデュタステリド)を内服している場合は献血は出来ません。また、フィナステリドは内服中止しても1カ月、デュタステリドは内服中止しても6ヶ月は献血を控えるよう指導されております。
ミノキシジルは頭皮以外に塗っても効果があるのですか?
頭皮以外の使用実績がなくわかりません。 生える場所と生えない場所があり、意味がないかつ副作用の危険もあるため、必ず頭皮のみに使用してください。
AGAとミノキシジルの効果・副作用まとめ
男性も女性も使うことのできるミノキシジルは壮年性脱毛症に使うことができます。早めに継続して使用することで発毛効果が期待できます。
また、ミノキシジルを購入する前に必ず薬剤師に相談してくださいね。高血圧や低血圧、心臓・腎臓の薬を飲んでいる方は医師に相談してください。